不動産投資の概要~目的に合った投資を~
「現物不動産投資」について
「現物不動産投資」とは、文字通り建物などの現物不動産を所有して、そこから収益を得る投資方法です。投資対象は、マンションやアパート、一戸建てといった居住用不動産が主流ですが、駐車場などを経営する方法もあります。
【居住用不動産への投資】
現物不動産投資では、自分がマンションなどを所有して大家となり、入居者からの家賃を収益にする形が一般的です(運営を不動産管理会社に委託することもできます)。しかし、マンションを一棟丸ごと所有するとなると、大きな利益を期待できる反面、そもそも多額の物件購入資金(数千万円~数億円)を用意しなければなりません。
自分が住む家を購入するならば、金融機関から低金利で住宅ローン融資を受けられますが、不動産投資用物件を取得目的とする融資は事業用ローンになるため、審査が厳しく金利も高くなります。そのため、個人が副業として不動産投資を始める場合には、一棟ではなく住戸ごとに区分された分譲マンションや一戸建てを選ぶことが多くなります。
しかし、見方を変えると、金融機関からの融資が得られるのなら、少額の自己資金で高額の不動産投資が可能になるとも言えます。他人の資金を使って資産を拡大し、自己資金に対する利益率を高める、いわゆるレバレッジ効果が得られるわけです。
ただし、もちろん投資金額が大きい分、空室の長期化や家賃滞納による経営リスクについてはそのダメージも大きくなるので、デメリットも正しく理解しておくことが大切です。
【初心者でも始めやすい駐車場経営】
土地(更地)を駐車場にするには、あまり施工費用がかかりません。居住用賃貸物件と違い、メンテナンスや運用面での手間が少なく、ランニングコストもかなり抑えられます。時間貸し駐車場のフランチャイジー契約という選択肢もあります。親企業の事業内容・契約内容にもよりますが、この場合は運用面でのオーナーの手間はさらに軽減されると考えられます。
ただし、土地を所有していない場合はその取得費用がかかるので、上記の初期費用が抑えられるというのは、親の土地などが遊休地としてある場合に限られます。
とはいえ、当然更地で売り出されている土地は世の中にたくさんあり、中にはさほど高額ではない物件も見つけることができます。その中で、駐車場需要がありそうな立地の物件を探してみるのもいいでしょう。また、物件数は少なくなりますが、土地を借りて事業展開するという方法もあります。
駐車場経営は、初期費用・ランニングコストともにあまりかからないというメリットがありますが、その反面、1台当たりの駐車料金が安いので、収益面では居住用物件の家賃収入額には及びません。それでも駐車区画の稼働率を高められれば、実質利回りを引き上げることが可能です。
また、駐車場は人が居住する建物を貸すのではありませんから、借地借家法の適用を受けません。つまり、駐車場の賃借利用に際して、貸主は利用料金の滞納や利用マナーの悪さなどを理由に契約を解除することができます。もしも収益が上がらないので事業転換しようという場合にも、利用者に対し一方的に契約解除を求めることができます。
しかし、簡単に始められるがゆえに、失敗の可能性もあります。駐車場経営には、立地の選択と利用需要があるかといった戦略的視点を持つことが大切です。
少額から不動産投資が可能な商品について
不動産投資を始めるには、多額の資金が必要になるという高いハードルがありますが、その部分を解消して少額から投資でき、さらにリスク軽減のための分散投資が可能なのが、「REIT」や「不動産小口化商品」です。
REITや不動産小口化商品では、自分が直接不動産のオーナーになるのではなく、任意の設定金額を投資し、投資金額に応じて分配される収益を得るという形になります。両者は似ていますが、具体的な内容を見るといくつもの違いがわかります。
【REIT】
REIT(Real Estate Investment Trust:リート)とは、不動産投資信託のことです。複数の投資家から集めた資金をもとに不動産を購入し、その賃貸収入や売却益が投資家に分配されるという投資商品です。株式投資に近いものがあります。実際に、REITは証券取引所において取引されており、投資家には投資証券が発行されます。10万円程度から投資可能であり、現物不動産投資よりもはるかに手軽に始められる点が魅力です。
株式投資と同じように価格変動リスクがあります。つまり、投資金額を下回るマイナス配当の可能性があるということです。また、投資証券の売却には手数料がかかります。
【不動産小口化商品】
不動産の所有権を多数の持分権に分け、それを複数の投資家で共有するというのが不動産小口化商品です。現物不動産を所有する組合に出資、または持分権を有する出資者による共同出資という形を取る点でREITとは異なります。そして、実際に不動産の所有権を得るという点でも、証券を所有するにとどまるREITとは大きく違います。つまり、実際の物件を投資対象にするわけですから、その物件の魅力や価値を自分なりに判断して、投資可否を決められるということになります。投資金額は物件ごとにかなり幅が出ます。仮に一口が高額だったとしても、現物不動産のように金融機関からの融資は受けられません。一方、所有している口数での分割が簡単に行えるため、相続対策としての二次的メリットも注目されています。
自分に合った不動産投資方法を選択する
主に現物不動産投資と少額投資ができる不動産投資商品について見てきました。どの方法を選択するかは、自分が不動産投資に何を求めているのかによって変わってきます。
例えば、大きなリターンを確保したいのであれば、融資を受けて現物不動産に投資することが選択肢の上位に上がってくるでしょう。そうではなく、リターンは少なくともあまりリスクを背負わず、剰余資金で少額から手堅く投資したいという場合は不動産投資信託などが候補になるかと思います。
しかし、ここに挙げたのは、多数ある不動産投資方法、商品の一部に過ぎません。現物不動産でもマンション一戸、四戸程度のアパート、一戸建てではそれぞれに違いがあります。居住用以外でも、駐車場のほかに複数の投資対象があります。不動産投資方法の概要をつかんだら、自分の目的や将来的な資金について整理し、無理のない投資計画を練りましょう。
こんな記事も読まれています
- 不動産のオーナー様向けコンテンツ
- 不動産投資の節税効果とは
- 不動産のオーナー様向けコンテンツ
- 副業としての不動産投資を考える
- 不動産のオーナー様向けコンテンツ
- なぜ土地活用が必要なのか
- 不動産のオーナー様向けコンテンツ
- 不動産投資のリスクを減らす分散投資とは
- 不動産のオーナー様向けコンテンツ
- 土地活用方法それぞれの魅力とは